赤嶺禎治(あかみね・さだはる)さん

 大阪という土地はなかなかの個性を 有している。かつて名護高の野球部で白球を追った 青年は、その大阪で暮らしている。

 電車に乗って女子高生同士の会話を聞くともなく聞いていると、 「思わず吹き出しそうになることがあります」。 ボケと突っ込み。まるで漫才のようなやりとりが 交わされるからだ。 このような会話は沖縄では馴染みがない。

 古里を離れると、客観的に見ることができるものだ。 赤嶺さんもその1人である。「人のよさや海の美しさ」 などを意識するようになった。

 そんな経験から「沖縄を離れてみたいと思う人は 出てみたほうがいいと思います」と語る。 待ち合わせの約束を守らないうちなータイムは 本土では普通はありえない、などの“常識”を 知ることができるからだ。大阪と比べて、「沖縄は ゆっくりしているところだと思いました」と顧ることが できるのも、客観的に見る目と“常識”を身に付けた 証拠だろう。

 ナンバが好きで、アメリカ村によく行く。 大阪暮らしを満喫する一方で、 沖縄そばやチャンプルーを食べたいと思うことがある。 ポークランチョンミートの味も懐かしい。だからというわけではないが、卒業後 本土にずっといたいとは思わない。最後には 沖縄に帰ってくるつもりだ。(沖縄王・西野浩史)

桃山学院大1年
1983年生まれ。名護市出身。大阪府和泉市在住






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