西平大地(にしひら・だいち)さん

 高校を卒業するまでは 沖縄のことがそれほど好きではなかった。 「母親が内地出身だから自分も内地の人間だ」という思いがあり、それが周りの 人との間に壁を作ってしまっていた。

 本土に出てきた今では、沖縄に帰りたいという 思いを募らせるようになった。さんぴん茶やポークを買いに 銀座の「わしたショップ」まで片道1時間かけて 行くほどの沖縄好きになっている。

 大学4年の今、 音楽を聞きながらパソコンに向かう時間が多い。 「いろいろ情報を仕入れておきたいですから」。 就職場所をどうするかで悩んでいる。  「将来は帰りたいけれど、今すぐに焦って帰る必要はない かな、と……。こっちで経験や技術を身につけることは 無駄にはならないだろうし」と考えている。

 趣味はスノーボードとドライブだ。 冬になれば忙しい日程の合間を縫ってゲレンデに出かけ、 夏は沖縄に帰ってドライブがてら海に出かける。 これが気分転換の方法だ。

 大学の沖縄県人会の会長を務めている。 前の会長から指名されてやり始めたことではあるが、 今では県人会が楽しくて仕方ない。 「何の気兼ねもせずにいられる。内地にいるのに、県人会なら 沖縄にいる気分になれるから幸せ。 それに沖縄からこの大学に来て巡り合った 偶然というか、そういうものを大事に したい。俺が卒業しても長く続けていってほしいね」。 この言葉に沖縄への熱い思いを私は感じた。

 帰り際に「どうせなら『えー!ニーニー』に出たかった」 と、ボケをかましてくれた。ん? まさか本気だったの?!(沖縄王・中本真紀 子)

埼玉大工学部建設工学科4年
1979年生まれ。読谷村出身。 埼玉県さいたま市在住






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